KAZE通信
風土計画一級建築士事務所の事務所日記
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ザビエル旧聖堂再生プロジェクト
Category 学び
鹿児島市の旧ザビエル聖堂が、福岡県宗像市に移築復元されていることをご存知ですか。
1949年に建てられた木造の教会で、間口13m、奥行き32m、高さ21m。建て替えのため解体することが決まり、「この建物は残さなくてはいけない」とNPO文化財保存工学研究室が立ち上げられました。2003年からスタートした工事は、その作業の大半をボランティアが担い、来春の完成を目指して進められています。
4月14日(日)「完成を1年後に控えた見学会と報告会」が開催されるということで、二人で参加してきました。昨秋に現場を訪れたときは、内部は漆喰塗のための下地が組まれた状態(写真:上段左)でしたが、中塗りを終えた状況(写真:中段右)で、印象が変わっていました。見学のあと、柱頭に付く飾りや水平材に付く飾りの製作実演を見学。左官職人で、この技術を継承している人が少ないこと、時間、費用がかかることから、 ボランティアメンバーが左官職人や文化財修復の専門家から手法、意見を得ながら、木枠やシリコン型に石膏を流し込み製作する方法を見出したとのことでした。これらの3000近くの飾りが、今後取りけられるとのことで、ますます完成の姿が楽しみになりました。
復元にあたっては、強度を増すためには多少の見てくれは悪くても柱などの構造材を追加したり、耐久性や維持への配慮をしていると建物修復家の土田理事長より説明がありました。復元することに意味があるのではなく、後世にこの建物を残す(つなぐ)ことを意識されていることを強く感じました。
1年後の完成までに、また見学にうかがいたいと思っています。木造の教会の建築過程を見る機会は、この先あるかないか。とても貴重な経験で、今回も終始興奮状態でした。 (Tsuki)
NPO文化財保存工学研究室BLOG http://ameblo.jp/iglesia-de-xavier/